転職って、真面目な人ほどテクニックを重視し過ぎて失敗してるような気がします……。
テクニックというのは専門的なスキルのことで、
- マネジメント経験
- 営業経験
- 開発経験
みたいなヤツと言えばわかりやすいでしょうか。
結論から言うと、このあたりのスキルって相対化できないんですよ。なので非常に難しい。
たとえば、
- マネジメント経験5年の人
- マネジメント経験1年の人
どっちを採用するか?
正直、わかりませんw。必ずしも「経験5年の人>経験1年の人」となるわけではないので。
マネジメント業務って結局のところ確認作業なわけじゃないですか。なのでチームメンバーとのコミュニケーション力が何よりも重要になります。経験1年の人の方がコミュニケーション能力において優れていたら? 僕なら迷わず経験1年の人を選びます。
40代になるとこういったコミュニケーション能力などの基本能力が問われることが多いです。専門スキルがあるのは一つの強みですが、専門スキルのみに頼りすぎると足元をすくわれますので注意してください。
専門スキルのみを杓子定規に強みとするのではなく、ポータブルスキルを総合的に捉えた上で自分の強みを明確にするといいでしょう。
ポータブルスキルとは何か
ポータブルスキル(持ち運びが可能なスキル)とは厚生労働省が提唱しているもので、専門スキルである「知識」と「技術」のほかに「仕事のし方」と「人との関わり方」をスキルとする考え方になります。
図にするとこう。
要は、
- 専門スキル(知識と技術)
- 仕事のし方
- 人との関わり方
の3つのうちのどれかがあればそれだけで十分なPRポイントになるよ、というものです。ポイントは「仕事のし方」と「人との関わり方」の2つが専門スキルと並列で並ぶところ。
昔は「仕事のし方」や「人との関わり方」って評価の対象になりにくかったんですが、さすがに最近は企業自体がその真価を理解するようになり、以前よりも評価が得られやすい状況になっています。
個人的には、90年代の終盤から現在にかけての不況期に、
- IT業界
- EC業界
- 人材業界
- 流通業界
- ベンチャー業界
などの企業が異業界から多様な人材を積極的に採用し、景気が回復した後で企業規模を大きく成長させたことがこのような流れを生む原因になったと考えています。
専門スキルなしで転職する方法
そんなわけで、専門スキルに乏しくても「仕事のし方」および「人との関わり方」のどちらかのスキルがあれば40代でも転職が可能です。マネージャーという肩書やマネジメント経験が必ずしも必要というわけではありません。
成功の鍵となるのは、
- 課題解決力
です。
これまでの経験から、企業や部署の課題に対してどのように向き合ったのかを抽出して自分の強みに落とし込んでください。
抽出方法は、
- 誰の
- どんな課題を
- どのように解決したか
を基本フォーマットとするとやりやすいです。
「自分は〇〇の課題を〇〇することで解決できます」
とりあえずこのような自己PRができるようにしましょう。ここまでできれば、異業界異職種であっても成功する確率が相当に上がります。
仕事のし方を強みにする場合
- 〇〇企業の開発案件の
- 納期が延びがちになる課題を
- 最初に計画書をしっかりと作ることで解決した
こういう感じでOKです。チームで行う業務のフローを変えたり、工夫したりした経験をピックアップしてください。
データを出せる人は、○%のコストカットに成功した、○人月分の業務削減をした等の数字を加えるのもいい方法です(データがある場合のみで結構です。無理に数値を出す必要はありません)。
人との関わり方を強みにする場合
- 〇〇案件の
- 成果物がクライアントが希望するゴールからずれてしまう課題を
- チーム内のコミュニケーションを密にすることで解決した
コミュニケーションの場合は必ずしも売上に直結するわけではないので、売上等の数字よりも具体的な方法を列挙するといいです。
- 進捗報告の場を設け、活用した
- ランチを共にするなどして、話しやすい環境作りに努めた
- 自分は何が得意で何が不得意なのかの自己開示を積極的に行った
このあたりはチームで働いたことのある人なら、いくらでもサンプルを抽出できるはず。人との関わり方改善のために努力したことを思い出してください。
40代はどんなスキルが必要とされるのか?
総合的にまとめると、40代には以下のようなスキルが必要とされます。
- 専門家としての経験
- リーダーとしての経験
- 何かにチャレンジした経験
- 課題を解決した経験
意外と幅広いでしょ?
一般的に必要とよく言われるのは、「専門家としての経験」「リーダーとしての経験」の2つですよね。
でもそれだけじゃありません。
「何かにチャレンジした経験」「課題を解決した経験」の2つも立派なスキルになるんです。
なので、何かにチャレンジしたことや解決したことを思い出して、自分の強みへと昇華しましょう。十分に戦える立派なスキルとなるはずです。