デザイナーとは何か?といった問題や、売れるデザイナーと売れないデザイナーの違い、売れるデザイナーになるための方法などについて書いてみました。
まあ、自分のデザイナーとしての反省ポイントを書いただけだったりしますが、よかったら参考にしてください。
デザイナーとは何か?
デザイナーとは何かという問いは難しい問題です。
デザイナーが100人いたら答えは100通りになるかもしれません。
ただあくまで一般論で言うのであれば、デザイナーとはビジネスにおける課題を視覚的に解決する人となるのではないでしょうか。
ですから、
- 新しい価値観を具現化して課題を解決する
- 機能性を改善して課題を解決する
- 美しさを追求して課題を解決する
どれも間違いではありませんし、デザイナーとして仕事をしている人ならみなさん当然のこととして意識されていることと思います。
でも、その当然のことを実行したとしても、みんながお金持ちになれるわけじゃないんですよね。

課題を解決するために美しさを追求して一生懸命デザインしました
パチパチパチパチ。よくがんばりました。えらい。デザイナーなら美を追求して当然。何一つ間違っていません。
でも残念ですがそれでは売れっ子にはなれない。
才能がないから、追求の仕方があまいから、などと言う方もいるかもしれませんが、どんなに才能があっても、売れないものは売れないんです。
才能で売れるなら、世の中の芸術家のほとんどが売れるはず。
芸術家を名乗って作品を発表しているような方々の多くがそれなりの才能を持っています。
でも例えば絵画なんかは売れない。圧倒的に売れない。
なんでなんでしょう?
「解決」の意味が違う
デザイナーという職業は大まかに2通りにわけることができます。
- 戦略まで提案するデザイナー
- 指示通りに作るデザイナー
デザイン事務所で言うと、事務所の代表であるデザイナーが①で、そのデザイナーに雇われている人間が②。
比率で言うとどれくらいになるのかはわかりませんが、②の方が圧倒的に多いはず。
つまりはデザイナーの多くが指示通りに作るだけの雇われデザイナーってことなんです。

いや、オレは雇われデザイナーだけど、100%指示通りにやるわけではなくて、自分のアイデアもちゃんと入れてるから
はいはい、わかります。
与えられた範囲の中で自分なりに精一杯やってるってことですよね。
でも、違うんですよ。
指示を受けて作ったデザインっていうのは、どこまでいっても「ただの指示通りに作ったデザイン」なんです。
指示さえあれば作れるっていうデザイナー、ゴマンといるわけじゃないですか。
だからそういったデザインを何百と集めてポートフォリオにしても、説得力がないんです。
自分は指示通りに作るだけのデザイナーですって言ってるようなもので、当然そういったデザイナーには高単価の仕事はきません。
まあ僕のことなんですけど。
だから、例えばあなたがデザイン事務所の代表かなんかに指示を仰ぎながらデザインをしているのであれば、なぜクライアントはその代表に仕事を依頼したのかということを考えなくてはいけないんです。
答えは簡単。売れるから。
クライアントはモノを売りたいんです。
それで、デザイン事務所の代表かなんかは多くの場合、デザインで売上を上げたという実績があるんです。
だからその代表に仕事が集まるんですよ。
デザインするのであれば、デザインの力でモノを売らなきゃダメなんです。
つまりは「解決」の意味が違う。
売りたいというニーズに直接応えるのが①の戦略まで提案するデザイナーで、①の指示に応えてるだけなのが②の指示通りに作るデザイナー。
売れるデザインを作ったかどうかが、売れるデザイナーと売れないデザイナーの分かれ道になります。
美しさのみを追求しても仕事はきません。
売れるデザイナーとは
僕は鳥山明先生をデザイナーとして尊敬しています。
なんて言うとみなさんは「おいおい鳥山先生は漫画家だろ」と言うと思いますが、もちろん漫画家としても素晴らしいです。
でも僕は鳥山先生をデザイナーの最高峰として考えているんです。
どうしてドラクエはヒットしたのか?
もちろんその要因はたくさんあります。
でも僕は鳥山先生がいたから、と思っています。
鳥山先生の描く素晴らしいイラストが、当時の子供たちを魅了したんですよ。
ドラクエ以外にもたくさんファミコンソフトがある中で、日本中の男子たちの目をドラクエに集中させた。
これこそデザイナーがやるべき仕事だと僕は思っています。
ドラクエの累計出荷本数はは2014年の時点で、6,400万本。
鳥山先生がデザインを担当していなかったら、ここまでの数字にはなっていなかったでしょう。
売れるデザイナーになるためには
売れるデザイナーになるためには、クライアントの売上に貢献できなければなりません。
要はコンサルタントとしての意味合いが強くなるということです。
色んな職種のクライアントがいて、課題や価値観も千差万別になります。
ただ単にかっこいいから、美しいからという理由ではクライアントは納得してくれません。
本気でビジネスをやっているクライアントほど、モノを売ることができるデザインを求めているのです。
ですからモノを売ることができるデザイナーだとアピールしなければいけませんし、そういうアピールには数字が大切になります。
エディトリアルデザイナーだったら本や雑誌の売上。WebデザイナーだったらWebサイトのPV数。
売上をこれだけUPさせた、PV数をこれだけ増やしたという結果が、新しいクライアントを呼ぶのです。
まとめ
デザイナーが売れるためにやるべきことをまとめます。
売ることにこだわってデザインする
美しさやかっこよさみたいな曖昧な価値基準は捨てましょう。美しくても売れなかったら失敗です。
これは単なるデザインのみで終わらせてはいけないということですね。例えばWebサイトであるならば、そのデザインでアクセス数が増えているか、扱っている商品の売上が上がっているかまで責任を持つ必要があるということです。結果が出るまでトライ&エラーを繰り返してください。
数字を実績にする
1回でも売上をアップさせることができたら、それを具体的な数字にして実績としましょう。
実績は美しくできた、かっこよく作れたといった主観でもなければ、大きな案件に関わったかどうかでもありません。クライアントのビジネスにおける成果が実績です。
具体的な数字を前面に出す
売上をどれだけ増やしたか、どれだけPV数を獲得したかを自己紹介やプロフィールに記載しましょう。
要は自分を選べば、クライアントに利益(ベネフィット)が生まれますよとわかりやすくアピールすることが大切です。利益を生むことができるデザイナーだと判断してもらえれば自然と仕事は集まるようになります。
では最後に鳥山先生と僕のプロフィールを紹介して締めとさせていただきます。

国内累計発行部数3,000万部の『Dr.スランプ』や全世界累計発行部数2億5,000万部の『ドラゴンボール』など多数の著作あり。またデザイナーとして携わった『ドラゴンクエストシリーズ』は累計出荷本数6,400万本にも及ぶ大ヒット作となる。80年代から圧倒的な画力で少年漫画界をリードし、今や世界を代表する伝説の漫画家・イラストレーターとして名を馳せている。

某大学社会科学部卒。発行部数15万部の『某スポーツ雑誌』や発行部数5万部の『某賃貸情報誌』にエディトリアルデザイナーとして関わった経験あり。Webデザイナーとしては主に中小企業のWebサイトデザインを担当。担当サイトの最高PV数は30万PV/月。
ポークさん、しょぼ……。
あとがき
僕の場合は、かっこよさだけを考えてデザインしていました。
クライアントの売上を本気で考えたことって、ほとんどないです……。
仕事が来なくて当然って感じですよね。