以前の記事で、同じランニングシューズを毎日履き続けて走ったら(1回5km走ると仮定)、そのシューズで走れるのは合計で500km前後になるという話をしました。
簡単にまとめると、一般的なランニングシューズの走行可能距離は800km前後と言われているものの、それはあくまで2日に1回の使用にとどめた場合の数値であり、毎日使うと推定値よりもはるかに少ない値になってしまうということです。
では、ランニングシューズ・メーカーが推奨している通り、2日に1回の使用という条件を忠実に守ると、その走行距離はどのくらいになるのでしょうか?
検証してみました。
同じランニングシューズを2足用意する
同じランニングシューズを2足用意して交互に履けば、毎日走っても1足ごとの使用頻度は2日に1回となります。
ちなみに、2日に1回という数字が推奨されているのは、一度シューズを履くとクッションが元の状態に戻るのに24〜48時間必要になるから。
昨今は色んなメーカーから様々な衝撃吸収素材が登場していますが、履いた後にすぐ100%まで回復するという素材は残念ながらありません。
というわけで、同じシューズを2足用意。
必ずしも同じものにする必要はありませんが、今回は検証なのでまったく同じものにしました。
今回チョイスしたのはこれ。
アシックスのGT-1000。
GT-1000を選んだ理由
GT-1000を選んだのは、個人的にこのGT-1000を気に入っているからです。
同じアシックスのGT-2000やGEL-KAYANOと比べてしまうと、クッション性やホールド性で落ちますが、それでも5〜10kmのLSDを行うには十分のクオリティを持っています。
余計な機能のついていないシンプルなランニングシューズといいますか。
もちろんコスパもいいです。
時期によっては、GT-2000の6割、GEL-KAYANOの半額くらいで買えるのもメリットの一つ。
まあ、気軽に履きつぶせるシューズということです。
GT-1000を使用する流れ
流れとしては簡単。
2足を交互に履くだけ。
それでそれぞれがどのくらい走れるのか計測します。
ただ、同じものが2足になるので、わかりやすいように名前をつけました。
- GT-1000の1足目:初号機
- GT-1000の2足目:弐号機
実験結果
実験結果の発表の前に、同じシューズを2足購入してみて感じたことから。
初号機と弐号機、同じGT-1000のはずなのに(色もサイズももちろん同じ)、最初の段階からもう履き心地が違いました。
初号機と比べると、弐号機の方はクッションが弱い感じ。
かたいというか、クッションが少しへたっているというか。
まあ、当たり前ですけど、まったく同じではないってことですね。
もちろん、この仕様は実験結果にも大きな影響を及ぼします。
では、結果発表。
結果は以下の通り。
名前 | 使用期間 | 走行距離 |
---|---|---|
初号機 | 16年10月〜17年5月 | 752.5km |
弐号機 | 16年10月〜17年4月 | 647.5km |
平均 | - | 700km |
交互に履いた効果は一目瞭然でした。
2足で計1400kmで、平均すると700km。
ちなみに、同じランニングシューズを毎日履き続けた場合の結果は以下。
メーカー | 使用モデル | 使用期間 | 走行距離 |
---|---|---|---|
プーマ | Faas600 | 13年5月〜7月 | 485km |
アシックス | GT-2000 | 14年4月〜7月 | 555km |
ニューバランス | M1040 | 14年8月〜11月 | 570km |
ナイキ | LUNARGLIDE | 14年12月〜15年2月 | 450km |
アディダス | Energy Boost | 15年2月〜5月 | 620km |
平均 | - | - | 536km |
1足のみで走り続けた場合の走行距離は平均536kmなので、交互に履いた方が164kmも長く走れることになりました
ただ、弐号機にもともとクッションが弱いという若干の不具合があったこともあって、弐号機の方が先に脱落。
最後は初号機を単独で履くことに(105kmほど長く使用)。
同じランニングシューズでも100kmもの差が生まれるということが合わせて判明しました。
弐号機が脱落しなかったら、初号機は800kmくらい走れていたかもしれません。
同じランニングシューズを2足購入して交互に履くと寿命は伸びる?
実験の結果、2足を交互に履いた方がランニングシューズの寿命が伸びることがわかりました。
1足のみで走り続けた場合の走行距離を1とした時の初号機と弐号機の値は以下の通り。
- 初号機:1.4
- 弐号機:1.2
つまり、2足を交互に履くと、シューズはおよそ1.2〜1.4倍長持ちするという結果に。
なので、少しでもシューズを長持ちさせたい人は2足購入して交互に履くといいでしょう。
もちろん、同じシューズを選ぶ必要はありません。
デザインや使用用途で使い分けるのも楽しいです。
あとがき
記事中に登場するGT-1000の画像ですが、これは初号機のものになります。
弐号機は外見的にも結構ボロボロになってしまったため、お役御免となった瞬間に廃棄しました。
なので、写真がありません(記録は残してあるんですが)。
何卒ご了承ください。
ちなみに、昔、実店舗でランニングシューズを購入した時に店員さんに同じものを2足買ったほうがいいかどうか聞いたところ、スポーツショップの店員さんの答えは「初心者なら1足で大丈夫です」とのことでした。
商売っ気がない店員さんだなあなんて思ってしまいますが笑、今思えば「同じものを2足買ったほうが長持ちしますか」と聞いたら店員さんの答えは変わったのかもしれません。
以上、シューズを2足交互に履いた場合の検証記事をお送りしました!